1. E&M JOBS ホーム>
  2. 用語辞典>
  3. 不安定根

不安定根

よみ
ふあんていこん

 特性方程式から求めた特性根のうち、実数部が正の符号をとるとき、この根を不安定根という。また、その逆に実数部が負の符号をとるときは安定根あんていこんという。

 

3040-1

 

 図の単一フィードバック系ではフィードバック要素が$$H(s)=1$$であるから、特性方程式は、$$1+G(s)=1$$と表される。いま、伝達関数が$$G(s)=1/(s+1)$$であれば、特性方程式は、

 

\begin{eqnarray}
  1+\frac{1}{(s+1)}=0\\
  (s+1)+1=0\\
  s+2=0
\end{eqnarray}

 

となり、この方程式から特性根を、$$s=-2$$のように求めることができる。この場合は、負の符号を持った実根となるため、与えられた系は安定である。また、伝達関数が$$G(s)=2/(s+2)(s-4)$$のような二次遅れ系ならば、特性方程式は、

 

\begin{eqnarray}
\qquad 1+\frac{2}{(s+2)(s-4)} &=& 0\\
(s+2)(s−4)+2 &=& 0\\
s^2-2s-6 &=& 0
\end{eqnarray}

 

となり、この二次方程式を解けば、共役な複素根、

 

\begin{eqnarray}
 \left.    \begin{array}{l}
     s_1=1+j\sqrt{7} \\
     s_2=1-j\sqrt{7}    
\end{array}  \right\}
\end{eqnarray}

 

 を求めることができる。この場合は、実数部がともに正の符号をとるので、不安定根という。与えられる系はもちろん不安定系と判別される。

カテゴリ

カテゴリーから探す