「 比速度 」

　水車のランナの形状によって定まり、その水車の適用される落差と関係をもつ定数。比速度$$N_s$$は、実際の水車と形状がそっくりのミニ水車において、1$$〔\mathrm{m}〕$$の落差で1$$〔\mathrm{kW}〕$$の出力を発生させるときの毎分の回転数の数値であり、実際の水車の設計落差$$H〔\mathrm{m}〕$$、定格回転数$$N〔\mathrm{min^{-1}}〕$$、定格出力$$P〔\mathrm{kW}〕$$からは、次式によって計算される。

　　$$N_s=N\frac{\sqrt{P}}{H^{5/4}}〔\mathrm{m \cdot kW}〕$$

　$$N_s$$は水車の使用される落差と関係があり、$$N_s$$の小さい水車は高落差に適し、$$N_s$$が大きいほど低落差向きである。比速度は、このような適用落差のほか、発電機の速度やキャビテーションなどとも関係をもつ重要な定数である。