サイホン
- よみ
- さいほん
- 英語
- syphon,siphon
液体が充満している逆U字形管路で最高点の圧力が大気圧以下のものをいう。
[例題] エネルギーと流れに関して、誤っているものはどれか。[技術士二次]
(1) プラントル数は、運動量の拡散と熱の拡散の比であり、プラントル数が大きくなると、温度境界層が速度境界層より厚くなる。
(2) レイノルズ数は、流れの慣性力と粘性との比であり、レイノルズ数が大きくなると、粘性の影響は小さくなる。
(3) マッハ数は、流れの速度と音速の比であり、マッハ数が大きくなると、流体の圧縮性の影響が大きくなる。
(4) フルード数は、流れの慣性力と重力の比であり、水の波や開水面などの流体現象はフルード数により整理できる。
(5) クヌードセン数は、分子の平均自由行程と物体の長さの比であり、クヌードセン数が大きくなると、流体を希薄気体として取り扱う必要がある。
[解説] 本問は、技術士試験二次からの出題であり、熱工学と流体工学との混合問題でもあり、専門的な知識がなければ簡単に解答できない。
(1) × プラントル数$$P_r$$は、
$$P_r = \frac{ν}{Np ・ C_p} = \frac{\quad\Large{動粘性係数}\quad\quad}{\Large{熱拡散率}\quad} , P_r = \frac{\quad\Large{定圧比熱×粘性係数}\quad\quad\quad}{\Large{熱伝導率}\quad} = \frac{C_{P \mu}}{\lambda}$$
であり、物質の状態度だけで決まる物性値である。
特に、速度境界層と温度境界層の厚さの相対的な割合を表す。
一般に、$$P_r$$の大きさによって次のような割合を表す。
$$P_r = 1$$ のとき、速度境界層=温度境界層
$$P_r > 1$$ のとき、速度境界層>温度境界層
$$P_r < 1$$ のとき、速度境界層<温度境界層
となり、本肢の前半は正しいが、後半のプラントル数$$P_r$$が大きくなると、速度境界層が温度境界層より厚くなるので、誤っている。
(2)、(3)、(4)および(5)はそれぞれ正しく、正解は(1)である。
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