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水素吸蔵合金(水素貯蔵合金)

よみ
すいそきゅうぞうごうきん(すいそちょぞうごうきん)
英語
hydrogen absorbing alloy

 金属水素化物のうち、特異な性質をもつものの通称をいう。一般に、金属結合型金属水素化物を指すことが多く、水素との親和力の強い金属と水素との親和力の弱い金属との合金である。この合金には、多量の水素が貯蔵され、その水素は、加熱または減圧によって放出され、冷却または加圧によって吸蔵される。その放出・吸蔵は可逆的であり、その反応速度は速い。金属水素化物の中で、特に、水素の吸蔵・放出の反応が速く、その可逆性の高い合金を水素吸蔵合金と呼んでいる。

 アモルファス金属、形状記憶合金と同様に水素吸蔵合金も新合金として注目されている。この合金は、合金相の中に水素原子が侵入し、金属水素化物となり、この金属水素化物相に比べて単位体積当たりの原子数が多くなり原子密度が高くなると、原子間の運動エネルギーは小さくなって、必要としなくなった水素を放出する過程を継続することができる。この現象は水素吸蔵といわれている。将来的に、水素自動車や燃料電池等に期待されている。

 表に示すように、水素吸蔵合金は各種開発されているが、経済的な面からTiFe型が最も期待されている。

表2-23 代表的水素吸蔵合金

金属水素化物

水素含有量

(体積%)

解離圧
$$〔\mathrm{MPa}〕$$
生成熱
$$〔\mathrm{kJ/molH_2}〕$$
希土類系(LaNi) LaNi5H6.0 1.4 3.4(50°C) -30.1
TiFe TiFeH1.9 1.8 1.9(50°C) -23.0
MgNi Mg2NiH4.0 3.6 0.1(250°C) -64.4
TiMo TiMn1.5H2.47 1.8 0.6(30°C) -28.5

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