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HSLA合金

よみ
えっちえすえるえーごうきん
英語
high strength low alloy

 HSLA合金とは、添加元素を微量にして強力な合金を作り出すことをいい、このように微量で効果のある元素をマイクロアロイと称する。

(1) HSLA鋼

 HSLA鋼は、組織の微細化により強度を高めることにあり、低炭素鋼に微量のバナジウム、ニオブ、チタンなどを添加し、かつ、製造プロセスを適性に制御することによって、これらのマイクロアロイの炭窒化物の析出を行い、オーステナイトおよびパーライトの微細化を行い、同時に析出硬化をも狙ったものである。この鋼種は、機械的性質の靱性、加工性、溶接性および疲労性の総合的に優れた材料であり自動車用鋼材のほかに構造用鋼材としても年々増産がされている。

(2) ジュアル鋼

 HSLA鋼を改良したもので、特に加工性と強度を増したものであり、前者の組織が微細なフェライトとパーライトの共存組織に対して、ジュアル鋼は微細なフェライトとマルテンサイトの共存組織である点が根本的に相違する。

(3) ベイナイトジュアル鋼

 ジュアル鋼を改良したもので、極低炭素鋼として、ジュアル鋼と同じ処理を行うが、組織が微細なフェライトとベイナイトの共存組織である点が根本的に相違する。この鋼種は、機械的性質のじん性と溶接性が特によいことが特徴である。

(4) 非調質鋼

 基本的にはHSLA鋼と同じであるが、従来から熱処理を施して所定の強さを出している機械部品などを、熱間鍛造で成型するとき、それ以後の冷却過程を制御して熱処理と同様の効果を狙ったものである。

表2-27 代表的な高温装置の運転温度

ボイラ,蒸気タービン

ガスタービンの動静翼,燃焼筒ライナー

ジェットエンジン用ガスタービンの動静翼,燃焼筒ライナー

自動車,船舶等のエンジンの排気弁,排ガス浄化装置

石油化学反応装置,水蒸気改質,エチレン分解炉

各種加熱炉,熱処理炉

都市ごみ焼却,熱分解炉

石炭のガス化,流動床燃焼装置

高速増殖炉

高温ガス炉,中間熱交換器用伝熱管,ヘリウムタービン翼

MHD[Magneto Hydro-Dynamics](電磁流体)発電:電極,ダクト

核融合装置

~566°C

~1100°C

~1400°C

~850°C

~1100°C

~1200°C

~1100°C

~1100°C

~600°C

~1000°C

~3000°C

1億°C

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