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極低温構造合金

よみ
きょくていおんこうぞうごうきん
英語
cryogenic structural

 極低温構造合金には、超伝導、核融合、リニアモータカー、ジョセフソンコンピュータなど、将来の先端技術が網羅されている。

 一般に合金鋼は低温になると強さは増すが、伸び、絞り、衝撃値などが小さくなってぜい性破壊を起こすようになる。この現象は体心立方晶合金(フェライト鋼等)ではマイナス200°C以下では著しくなるので、低温では利用できない。一方で、面心立方晶合金(ステンレス鋼等)はマイナス200°C以下でもじん性は保つことができるので、フェライト鋼に代わって使用されるが、絶対零度に近くなるとステンレス鋼でも使用できないために新合金の開発が期待されている。これに即した材料として以下のものがあげられる。

(1)極低温用ステンレス鋼

 18-10ステンレス鋼を主体として炭素および窒素の添加によって強度の向上を図ったものであり、核融合用ヘリウム容器などへの適用を目指している。

(2)高マンガンオーステナイト鋼

 これは特に極低温構造合金として開発されたもので、ヘリウム温度(-200°C以下)でも強さ、伸びともによい値を示すが、機械加工性や衝撃値がやや劣っている。

(3)鉄・マンガン・アルミニウム合金

 鉄に対してマンガンを多量に配合すると面心立方晶を維持したままで多量のアルミニウムを固溶させることができるので、オーステナイトの強度を増すし、耐食性を増すことになる。

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