「 同期ワット 」

　誘導電動機のトルクの表し方の一つ。

　誘導電動機の機械的出力$$P_0$$は回転角速度$$\omega_r〔\mathrm{rad/s}〕$$、同期角速度$$\omega_r〔\mathrm{rad/s}〕$$、滑り$$s$$、トルク$$\tau〔\mathrm{N \cdot m}〕$$から、

　　$$P_0 = \omega_s(1-s)\tau = \omega_r \tau〔\mathrm{W}〕$$

と表されるが、トルク$$\tau$$を発生して回転速度$$n_r〔\mathrm{r/s}〕$$=$$\omega_s〔\mathrm{rad/s}〕$$で運転している電動機が同期速度$$n_s〔\mathrm{r/s}〕=\omega_s〔\mathrm{rad/s}〕$$で運転されたと仮想したときの出力を、同期ワットあるいは同期ワットトルクといい、次式で表される。

　　$$\tau’=\tau \omega_s〔\mathrm{W}〕$$

　回転角速度$$\omega_r$$と同期角速度$$\omega_s$$とについては、$$\omega_r=\omega_s(1-s)$$で示されるので、同期ワット$$\tau’$$は、

　　$$\tau’=\dfrac{\omega_r}{1-s}\tau〔\mathrm{W}〕$$

とも表され、この値は回転子入力$$P_2$$に等しい。