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短絡比

よみ
たんらくひ

 定格速度において、無負荷で定格電圧を発生するのに必要な界磁電流$$I_{fv}$$と、定格電流に等しい永久短絡電流を流すのに必要な界磁電流$$I_{fs}$$との比$$I_{fv}/I_{fs}$$をいう。一般に、短絡電流を$$I_s$$、定格電圧を$$V_n$$、同期インピーダンスを$$Z_s$$とすると、

 

   $$I_s=\frac{V_n}{\sqrt{3}Z_s}$$

 

となり、短絡比$$K_s$$は、定格電流を$$I_n$$とすると、

 

   $$K_s=\frac{V_n}{\sqrt{3}Z_sI_n}=\frac{100}{\mathrm{%}Z_s}$$

 

で表される。$$\mathrm{%}Z_s$$はパーセント同期インピーダンスである。

 短絡電流を制御するのは同期インピーダンスであり、同期インピーダンスが低い機械ほど少ない界磁電流$$I_{fs}$$で永久短絡電流を流すことができる。この基準に無負荷定格電圧を誘導する界磁電流$$I_{fv}$$を用いている。それゆえ、短絡比が大きい機械は毎極磁束$$\phi$$を大きく、毎相の直列巻数$$\omega$$を小さく、すなわち電機子反作用リアクタンス(結果として同期インピーダンス)が小さく体格の大きい鉄機械てつきかいである。反対に短絡比の小さい機械は$$\phi$$が少なく$$\omega$$を多くした銅機械どうきかいである。なお、同期インピーダンス(突極機では直軸同期インピーダンス)を単位法で表すとき、その逆数が短絡比に等しい。短絡比の概数はタービン発電機で0.5~0.8、水車発電機やエンジン発電機で0.8~1.2程度である。

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