「 電圧調整 」

　電圧値を適正範囲内とする調整。通常、電
圧値に着目する箇所は負荷の近くが多く、工
場負荷を例にとれば、電圧調整の手段として
は、受電用変圧器のタップの切換えがある。
このタップは設備されていなかったり、ある
いは設備されていても固定式のものが多いた
め、頻度の多い電圧調整向きではない。この
ほか、電気を供給する電力会社側にある配電
用変電所の二次側目標電圧の変更がある。配
電用変電所では、二次側電圧を、ある範囲の
不感帯は存在するが、目標値に近づけるよう
に変圧器のタップを自動制御しており、常に
二次側電圧を目標値近辺の値としている。目
標電圧の1日の動きはタイムスケジュールで
決められている。電力系統の電圧階級のより
高い変電所での電圧調整としては、着目して
いる地点よりさらに上位電圧階級系統との連
系変圧器のタップでの調整、発電機の電圧あ
るいは無効電力での調整（界磁電圧の調整）、
調相設備による調整がある。調相設備による
調整とは電圧が下がったときには、並列コン
デンサを投入（分路リアクトルを開放）、逆に
電圧が上がったときには分路リアクトルを投
入（並列コンデンサを開放）することである。