1. E&M JOBS ホーム>
  2. 用語辞典>
  3. 電力系統の無効電力

電力系統の無効電力

よみ
でんりょくけいとうのむこうでんりょく

 電力とはエネルギーの流れであるが、負荷
と電源との間を周期的に往復する電力。
 電力用コンデンサ、分路リアクトルを電源
に接続すると、電源から負荷の方にエネルギ
ーが流れるときと、逆に負荷から電源の方に
エネルギーが流れるときとが交互に繰り返さ
れ、交流1周期にわたって平均すると、結局、
電源と負荷との間でのエネルギーの授受はな
くなる。電圧$$E$$、負荷に流れる電流を$$I$$、こ
の2量の相差角を$$\phi$$とすると、無効電力$$=EI
sin\phi$$ 
である。
 電気機器についていえば、蛍光灯、モータ
といったように機器に違いはあるが、それぞ
れ必要とする仕事、機能を果たすためには無
効電力が必要である。電力系統において有効
電力をその必要とする消費地点まで送電線を
経由して送るためにも、線路にリアクトル、
対地静電容量があるため、無効電力も送らな
くてはならない。わかりやすくいえば、機械
が仕事をしやすいようにするには、縁の下の
力もちである潤滑油を必要とするが、無効電
力はこれに相当するものといえる。このため、
無効電力に相当するだけのエネルギーを変電
所および発電所から供給しなければならない。
 無効電力は前述のように交流1周期にわた
って平均すると、エネルギーの授受がないた
め、原動機から燃料を注入する必要がなく、
発電機の電圧を変えたり、変電所の調相機を
投入することによって供給することができ
る。電力系統における無効電力は電圧と深い
関係があって、着目しているポイントにおけ
る無効電力の消費と供給のバランスが崩れる
と、その地点の電圧が周辺の地点からずれる
こととなる。この現象は電力系統全体に及ぶ
ものというよりはローカル的な場合が多い。

カテゴリ

カテゴリーから探す