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反応度

よみ
はんのうど

 熱中性子炉では1 回の核分裂で発生した平均約2.5 個の中性子は高速中性子であるが、このうちいくつかはそのままでも次の核分裂を起こさせ、またいくつかは熱中性子まで減速される、熱中性子となってからもいくつかが燃料に吸収され、吸収されたもののいくつかが核分裂を起こさせ次の世代の中性子を発生させる。その結果として中性子が元の数の何倍かになる。

 このように無限大の原子炉において第一世代の中性子が次の世代になったときに何倍の中性子になったかを表す倍数として無限増倍係数むげんぞうばいけいすう$$K_\infty$$)を使う。実際の原子炉では有限の体積で中性子の漏れを考慮した実効増倍係数じっこうぞうばいけいすう$$K_{eff}$$)を用いる。

 このとき、原子炉の反応度を$$\rho$$とすると、次式のように表される。

   $$\rho = \frac{K_{eff}\,- 1}{K_{eff} }$$

$$K_{eff}$$が1に近いので、

   $$\rho ≒K_{eff} – 1 = K_{eff}$$

 $$K_{eff}$$> 1では$$\rho$$は正で、中性子数が増え出力が増加していく状態である。$$K_{eff}$$= 1では原子炉は臨界で、$$\rho$$= 0で中性子数は一定、つまり出力一定である。$$K_{eff}$$< 1 では$$\rho$$ は負で、中性子数が減り出力が減少していく状態である。

 燃料は一定期間100〔%〕出力を維持できるだけの正の反応度を有するよう設計され、制御棒は挿入することによりそれに打ち勝つだけの負の反応度を投入できるよう設計されている。

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