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窒化法

よみ
ちっかほう
英語
nitriding

 あらかじめ、焼入れ後高温焼戻しをした調質鋼を約500$$\mathrm{°C}$$に加熱して、窒素($$\mathrm{N}$$)を拡散浸透させる表面硬化法を窒化法という。

 

[例題]

自動車部品や機械部品を対象として耐摩耗性や疲れ強さを付与する目的で窒化や軟窒化を行う例が多い。窒化および軟窒化に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。[技術士一次(金属)]

(1) 軟窒化は、窒素を主体として炭素も同時に拡散浸透させる処理である。

(2) ガス軟窒化は、塩浴窒化の代替技術として開発されたものである。

(3) ガス窒化は、一般にアンモニアガス中で加熱する処理である。

(4) 軟窒化の一般的な処理温度は、400~500$$\mathrm{°C}$$である。

(5) 合金元素である$$\mathrm{Cr}$$および$$\mathrm{Al}$$は、窒化層の硬さを高めるのに有効である。

 

[解説]

(1) ○ 軟窒化は、原理的には低温の浸炭窒化であり、数時間の処理で表面に10$$\mathrm{\mu m}$$程度の炭窒化物層、その内部に0.2~1$$\mathrm{mm}$$程度の拡散層が生成する。主として、機械構造用の炭素鋼・低合金鋼、鋳鉄などに適用され、硬さはあまり高くないが耐疲労性や耐摩耗性の向上が著しい。

(2) ○ ガス軟窒化は、塩浴窒化(タフトライド)の代替技術として開発されたものである。

(3) ○ ガス窒化は、一般にアンモニアガス中で約50時間程度加熱する処理である。

(4) × ガス軟窒化は、主として浸炭性ガスとアンモニアガスの混合した雰囲気中で「400~500$$\mathrm{°C}$$」ではなく「550~600$$\mathrm{°C}$$」の温度範囲で1~5時間加熱処理する。

(5) ○ ガス窒化は、合金元素である$$\mathrm{Cr}$$および$$\mathrm{Al}$$などを含む窒化鋼を用い、アンモニアガス中で50~100時間加熱する方法で、表面硬さ$$\mathrm{Hv}$$1000~1100、深さ0.3~0.7$$\mathrm{mm}$$の窒化層の硬さを高めるのに有効である。

 その他にイオン窒化は、窒素と水素の混合ガスを利用した無公害の窒化法はステンレス鋼に適用されている。

 したがって、正解は(4)である。

 

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