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Interview ソニー株式会社 世界シェアNo.1のCMOSイメージセンサーを開発する

スマートフォンの普及に伴い、毎年平均して8~10%のスピードで成長し続けるCMOSイメージセンサー市場。その中でもソニー製のCMOSイメージセンサーは、世界シェア№1に輝き、ソニーの成長を牽引している。

同社を牽引する事業領域をさらに強化するため、CMOSイメージセンサー以外にも半導体に関するエンジニアを対象とした大型採用がスタート。
なぜソニーは、中途入社の技術者にとって働きやすいと言われるのか?
日本を代表する企業の知られざる舞台裏を、現役エンジニアに伺った。

ソニーのエンジニアは、ただの製品は作らない。
新たな文化を、この手で創る。

PROFILE
ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
デバイス開発部門
T.M.さん

大学院修士課程(物理学)修了後、大手半導体メーカーへ入社。2年間在籍し、有機ELディスプレイや白色LED、レーザーなど、半導体プロセスを用いた発光デバイスに関して幅広い製品の基礎開発に従事。2012年4月にソニーへ中途入社。スマートフォン向けカメラの設計を経て、現在の部署でイメージセンサーやセンシング向けセンサーの技術開発と画素設計を担当している。

聞き手:渥美 幸大(製造業専任コンサルタント)

半導体・重電・重工業界を中心とした製造業専任のコンサルタント。
同業界・同職種の転職支援はもちろん、
担当企業・求職者様との両面のサポート経験を活かし、業界をまたいだ転職支援の実績も豊富。

ソニーへの入社理由を教えて下さい。

僕は大学院で素粒子の研究をしていたのですが、素粒子を発見するためのセンサーの研究開発に携わったことがありました。そこでまずセンシング技術に興味を持ち、まずは半導体の基礎を学ぼうと、前職の半導体メーカーに就職。そして、一通りの製品に触れたタイミングで、本当にやりたかったセンシング技術の方に注力するために、ソニーへ転職したんです。

ソニーを選んだのは、裏面照射型CMOSイメージセンサーの存在が大きかったですね。僕が学生だった頃、ソニーはそれまで他社が実現できなかった裏面照射型CMOSイメージセンサーをどーんと発表し、話題に。そのときのインパクトが脳裏に焼き付いていたので、迷わずソニー1社だけに応募したんです。出身学部が畑違いな上に、前職での経験も2年程度。ただやる気だけは誰にも負けない自信があったので、「知識・経験不足ではありますが、必死に食らいついていきますのでぜひ採用して下さい!」と懇願し、内定にこぎ着けました。

入社後、ソニーではどのようなお仕事を?

最初の数年間はスマートフォンに使われるカメラの設計を担当していました。カメラとして最も大切な、イメージセンサーの画素設計を、設計から評価まで。僕の世代というのは、高校生の頃に携帯電話にカメラが搭載されて、みんながデジタル写真を撮るようになった世代。当時、30万画素程度で満足していた自分が、今や人間の目に匹敵する高画素イメージセンサーを開発していたというのは、なかなか感慨深いものがあります。

そして現在、僕はイメージングからセンシングの部署に移り、今度は人間を超える、目に見えない領域を映し出すセンサーを設計しています。

技術的に難しいとされてきた裏面照射型CMOS。
なぜ、他社ができなかった製品化が可能になったのだと思いますか?

当時はまだソニーの人間ではなかったので、細かいことはわかりませんが、開発とプロセス開発、ファブ(製造)の連携が優れているというのは、大きい理由の1つだと思います。

極端なことを言うと、突拍子もないモノを開発するっていうのは、別に大企業でなくてもできるんです。それこそ大学の研究室やベンチャー企業でも、尖ったアイディアというのはいっぱい出てきますから。でも、それを大量かつ安定的に生産できるかというと、実はそこがいちばん難しかったりします。

実際、裏面照射に挑戦していた他社も試作まではこぎ着けたとか。通常フォトダイオード上に形成する配線を裏面に配置する、という特殊な構造を、いかに量産に移せるかがポイントだったわけです。ソニーは開発段階
からプロセス開発とファブと一緒になって実現方法を模索していたからこそ、この壁を越えられたのでしょう。

実際、僕が働いていても、この点はとても魅力的です。製造業では工場との間に壁があったり、プロセス開発と連携しづらい場合もあると思うのですが、ソニーはそういうのがなくて。優秀なプロセス開発とファブの人たちがすぐ隣でスタンバってくれているから、開発サイドは「ここまで攻めた設計をやると品質は大丈夫だろうか…」とアイディアを萎縮させることなく、自由な発想で進めることができるんです。

エンジニアとして、イメージセンサーを開発する醍醐味は何だと思いますか?

ひとつは、性能の善し悪しが目で見てわかりやすい点ですね。セットメーカーなので、ユーザーの声を把握できるというのもありますが、やはり成果物が数値ではなく、画像という視覚的なものだという点は、それだけでモチベーションが上がりますよ。こんなに綺麗な画、精細な画質になったのか…頑張った甲斐があったなぁ…って。

もうひとつは、新たな価値を創造できる、という点です。ソニーは、特に新しい製品やカルチャーを生み出すことに積極的な企業。だから、我々技術者は、自ずと世界初となる画期的な製品に関われる機会が多くなる。

特に裏面照射型CMOSイメージセンサーの画素部分と信号処理回路を重ね合わせる積層型は、積層するものによって可能性が広がります。

例えば、想像にはなりますがパシャッと撮るだけで人の体温が測れる機能や、霧の中や真っ暗闇でも鮮明に写せる機能、空気中の目に見えない物質を可視化する機能…。人間の五感の80%を占めると言われる視覚領域をどこまで拡張できるか…考えただけでもワクワクしますよね。

そして、そういったものが様々な製品に組み込まれたら? 自分の生んだものが世の中に普及し、新たな文化の誕生に繋がっていく。それを実感できるのは、ここでしか味わえない醍醐味です。それはソニーだからできることかもしれません。現に僕のまわりには、「新たな価値を作りたい」という想いで中途入社した人が大勢います。

中途社員の割合と、どんなバックグラウンドの方が多いか教えて下さい。

ソニーは、新卒組と中途組の区別は特にありません。バックグラウンドは、半導体(デバイス)メーカーや、総合電機、OA機器メーカー、ツールベンダーなど出身もタイプも様々ですね。

昔から尖った人材の多いソニーですから、それなりにこだわりの強い人や鋭い意見の人ばかりですが、ひとつ言えるのは、コミュニケーションがとりやすい人ばかりだということ。

「プロジェクトを成功させよう!」「良いモノ作ろうぜ!」という人が集まっているからか、相手の意見を尊重したり、協力したり…というのが自然と根付いているんでしょう。雑談をしているときでも面白いアイディアが誰かの口から飛び出すと、「良いね。それやってみようよ」ってみんながワーッと集まってきて、どうやったら実現できるか真剣に考える。

すると会社が動き、新しい製品の誕生へと繋がっていく…。

大きな会社だけど、僕ら技術者からいくらでも動かしていける。これもソニーの面白さの1つではないでしょうか。これから入社される方にも、ますますチャンスが広がっていると思いますよ。

エンジニア向けのキャリア制度はどのようなものがありますか?

自分で異動先を獲得できる『社内フリーエージェント制度』、現業務を継続しながら他部署の業務に関わる『キャリアプラス制度』、社内全体から人材を募集できる『社内募集制度』など……エンジニアのキャリアを広げる制度があり、実績も多数あります。キャリア選択の自由度はかなり高いと思いますよ。僕のまわりでも、何名かのエンジニアが、そういった制度を活用して、前々から興味のあったテレビやVRの部署への異動を検討しているくらいですから。

僕自身も、元はと言えばデバイス開発の配属だったんです。それが、当時の上司が僕の適性や希望を見て、今の部署への異動を取り持ってくれました。こちらから希望を出す前に「お前はこっちをやりたいんじゃないか? こっちが向いてるんじゃないか?」とまわりが声を掛けてくれるのは、今まで様々なタイプのエンジニアを見てきた会社ならではかもしれません。

エンジニアのキャリアという意味では、異動ではありませんが、育児休職制度があります。制度自体はどこの会社にもあると思いますが、ソニーは男性も育休をあたり前のように取れる風土があります。かくいう僕も4ヶ月ほど取得しましたが、部署のメンバーたちは不在の間、快くサポートしてくれて、心おきなく子育てに専念することができました。もちろん普通の休暇も取りやすいです。2週間休みを取って海外旅行に行く人もいますよ。

転職を検討しているエンジニアにメッセージをお願いします。

ソニーのエンジニア募集ということで、もしかしたら採用ハードルが高いと思われるかもしれませんが、大切なのは、経歴よりもエンジニアとして積極的なスタンスを持っていることではないかと思います。現に僕が転職したのは、中堅メーカーの2年目のときで、おまけにイメージセンサーの経験も皆無でした。それでもこうやって採用してもらえたのは、「必死に食らいついていきます!」という積極性を評価してもらったからだと聞いています。

ぜひ、「新しいことに挑戦したい」「実現したいアイディアがある」という人には、思い切って飛び込んできて下さい。ここには、エンジニアの貪欲な気持ちと大きな夢に応えてくれる組織が、制度が、仲間が揃っています。ぜひ、僕たちと一緒に、新しい文化を創りましょう!

ソニーの半導体部門 ソニーセミコンダクタソリューションズについて

企業概要

ソニーグループで、半導体事業を担うソニーセミコンダクタソリューションズ。
開発から製造まで一貫体制で事業を展開しています。

2016年4月にソニーの事業分社化によって誕生した同社ですが、そのルーツは、日本で初めてトランジスタを商用化した1954年にまでさかのぼります。その後、1980年に世界で初めてCCDカラーカメラ商品化、2009年にはやはり世界で初となる裏面照射型CMOSイメージセンサー商品化に成功するなど、半世紀以上に渡って市場を牽引し続けてきました。

さらに2012年、世界で初めて積層型CMOSイメージセンサーを商品化。同製品は昨今のスマートフォンに欠かせないセンサーに成長し、同社はイメージセンサー業界のトップを走り続けています。

事業フィールド

  • イメージセンサー
  • ディスプレイデバイス
  • 各種LSI
  • 半導体レーザー

などデバイス事業を展開

厚木テクノロジーセンター外観

中でも最注力のイメージセンサーは、スマートフォン向けの製品を中核に据えながら、低ノイズ・高解像度・高速読み出しといった特性を活かし、車載カメラや監視カメラ、ファクトリーオートメーションなどの領域でさらなる成長を目指しています。

現在、イメージセンサーの活躍の場は、デジタルカメラやモバイル向けといった鑑賞領域に加えて、社会の便利さや、安全・安心を提供する認識領域へと拡がりつつあります。
ソニーは“リーディングカンパニーとして10年後も社会に必須の存在であり続ける”というビジョンを掲げ、イメージングとセンシングの用途に向けたイメージセンサーの開発と、さらなる技術革新に取り組んでいます。

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