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100年に一度の変革期ともいわれる自動運転・コネクテッド・モビリティーサービス事業への取り組み

[2018.02.05]
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自動車産業にとって、自動運転・コネクテッド・モビリティーサービスは100年に一度の変革期に自動車産業が直面していることを実感させる新しい事業分野になろうとしている。

自動運転の動きと業界の取り組み

自動運転とモビリティーサービスは、自動車業界が自らの発展の中で提案すべき本業の内容に深く関わるテーマであるにもかかわらず、業界外部のIT産業やライドシェアや保有シェアなどのモビリティーサービスプロバイダーから先に提案されてしまったことから、その衝撃は大きかった。

IT業界は2014年にIT革命で獲得した認識技術と人工知能技術を使用することで自動運転が可能になる、としてITの新技術を駆使して自動運転・コネクテッド・モビリティーサービス分野に新しい提案を続け、サービスプロバイダーは自動車産業が撤退した分野で新しい収益モデルを構築しつつある。

だが、こうした提案に対し、自動車メーカー、部品メーカーサイドでも急速に認識を深め、自動車業界からの独自の提案が明確になりつつあるのがここ12年である。

自動車業界は、IT業界の支援を受けながら、安全性向上にIT革命の成果を活用する方向で開発に取り組みつつある。

自動車業界はそれぞれの立場から異なる対応方法により自動運転の動きに対応しようしている。

その違いはディープラーニングの活用分野と、ルールベースの自動運転アルゴリズムの採用分野をどのように切り分けるか、どこまで広げられるかにもよるもので、その背景にブランドに対する責任感を重視する自動車メーカー、ドライバーによる運転満足度を重視する自動車メーカー、自動車という製品をよりコモディティー、標準品に近づけようとする製品戦略そのものの違いがある。

さらに、自動運転・コネクテッド・モビリティーサービスの適用対象となる道路・交通インフラが世界で大きく異なっていることが、自動車各社の対応を困難なものにしている。

これまでに整備されてきた都市内の交通網、V2Xの背景になる電波事情と新世代通信ネットワークも地域・国により異なる。

都市化、高齢化、交通弱者の存在など、共通課題は多く、それ故に自動運転技術活用に関する社会的なコンセンサスは醸成されつつある。

ただしそこには、期待値も含まれており、現実に自動運転が可能になる地域、時間帯、速度の限定を伴う、限定的なものとして発展してきた。

 

このため、より現実的には、現実に適用可能な自動運転・コネクテッド・モビリティーサービスの分野を少しずつ開始し、少しずつ領域を拡大していく方向と、先行開発して自動運転機能を高度化する方向、これまで装着が拡大してきた先進安全技術を高度化していく方向に開発アプローチが別れつつある。

自動バレーパーキングは場所限定、最高速度限定の中で開発され,先行して普及すると見込まれる。完全な自動運転も比較的早くから導入されると見られる。

とはいえ、完全自動運転を高速道路や一般道路で実現するには、高精度の3Dデジタルマップが必要になる。道路と居住区の関係が明確な米国ではデジタルマップもシンプルで済み、住宅街の生活道路から自動運転が可能になる可能性が高い。

自動駐車の延長のような形で自動運転が可能になる地域が拡大する可能性もある。

より広い地域、より少ない条件下での自動運転の発展には3Dデジタルマップの整備が不可欠となる。デジタルマップの整備状況が自動運転可能地域、領域を拡大することは関係者の意見が一致するところである。

ただし、デジタルマップの制作は地域や国と地図メーカー、国や実態の地図行政政策から強い影響を受けざるを得ない。

他業界との共同による自動運転サービス

自動運転・コネクテッド・モビリティーサービスは2018年に地域・国の特性により進展速度に格差が出始めると考えられるが、一方では、より現実的に普及し、かつサービスプロバイダーが経済合理性のある形でユーザーに提案するためには、自動車メーカーとITメーカー、通信サービスプロバイダー、自動運転に必要な地図データプロバイダー等との提携拡大や協働による自動運転事業の提供が必要になる。

このため、ライドシェアや物流サービス事業者と共同で事業提案を行うことも活発化すると考えられる。

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自動運転を構成するデータ、データ処理、サービス提供、必要な技術や製品開発を単独の企業で行うことは難しい。

共同領域を広く取り、自動運転サービスを共同提供する仕組みの獲得に向けた提案が活発化することもまた2018年の特徴となろう。

FOURIN世界自動車技術調査月報より転載>