ランキンサイクル
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- らんきんさいくる
- 英語
- Rankine cycle
発電用や船用機関として蒸気タービンが使用されているが、この作動の基礎となるのがランキンサイクルである。
図のように、$$P-V$$線図から見ると、
1→2:飽和水をポンプで圧力を高めてボイラに送り込む。
2→3:外部から熱を加えると水の温度が上昇する。
3→4:飽和温度に達して蒸発する。
4→5:過熱蒸気になる。この蒸気がタービンの中で断熱膨張する。
5→6:仕事をする。タービンを出た蒸気は復水器で冷却されて元の水になり、還流する。
理論熱効率:$$\eta =\frac{h_5 – h_6}{h_5 – h_1}$$
[例題] 次の文章の括弧内に入る語句の正しい組合せを選べ。[技術士一次]
固体物質内の熱移動において、単位時間、単位面積当たりの熱の移動量に相当する熱流速は、物質内部の( ① )に比例し、比例定数は( ② )と呼ばれる。黒い物体表面からふく射(放射)される単位時間、単位面積当たりのふく射熱量は、物体の( ③ )の4乗に比例し、比例定数は( ④ )と呼ばれる。
ア 温度差 | イ 温度こう配 | ウ 絶対温度 | エ 飽和温度 | |
オ 逆転温度 | カ 熱伝導率 | キ ガス定数 | ク 熱伝達率 | |
ケ ステファンボルツマン定数 | コ ふく射率 |
① | ② | ③ | ④ | ||
(1) | ア | ク | オ | コ | |
(2) | ア | カ | ウ | コ | |
(3) | イ | カ | ウ | ケ | |
(4) | イ | ク | ア | ケ | |
(5) | ア | コ | エ | キ |
[解説] 熱伝導に関する用語の問題でステファンボルツマン定数の問題がここ数年出題されている。以下、下線部分が解答部分である。
固体物質内の熱移動において、単位時間、単位面積当たりの熱の移動量に相当する熱流速は、物質内部の①温度こう配に比例し、比例定数は②熱伝導率と呼ばれる。黒い物体表面からふく射(放射)される単位時間、単位面積当たりのふく射熱量は、物体の③絶対温度の4乗に比例し、比例定数は④ステファンボルツマン定数と呼ばれる。
したがって、正解は(3)である。
[例題] 熱機関の理論サイクルにおいて、高熱源で熱を加える過程において、次のうち誤っているものはどれか。[技術士一次]
(1)オットーサイクル:一定容積変化
(2)ディーゼルサイクル:一定圧力変化
(3)ブレイトンサイクル:一定圧力変化
(4)カルノーサイクル:等温膨張変化
(5)ランキンサイクル:一定容積変化
[解説] (5) × ランキンサイクルは、1→2:飽和水をポンプで圧力を高めてボイラに送り込む。2→3:外部から熱を加えると水の温度が上昇するので、一定圧力にする。3→4:飽和温度に達して蒸発させることから、「一定容積変化」ではなく「一定圧力変化」である。
(1)、(2)、(3)および(4)は正しく、正解は(5)である。
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