放射伝熱
- よみ
- ほうしゃでんねつ
- 英語
- radiant heat transfer
イ.放射能
物体表面の単位面積から単位時間に放出される熱放射エネルギー$$E〔\mathrm{W/m^2}〕$$を、物体の放射能という。このうち特にある波長$$\lambda〔\mathrm{m}〕$$の熱放射について考えた$$E_{\lambda}$$(単位波長幅当たり)を単色放射能という。
ロ.黒体放射
表面に入射する熱放射のすべてを吸収する性質をもった物体を黒体[black body]といい、プランクの放射則に従う放射を黒体放射という。プランクによれば、温度$$T〔\mathrm{K}〕$$の黒体の単色放射能$$E_{b\lambda}〔\mathrm{W/m^3}〕$$は次の式で表される。
$$E_{b\lambda} = \frac{C_1}{\lambda^5(e^{C_2\,/\lambda_i\,T }- 1)}$$ | (4-1) |
ここに、$$C_1:3.74 × 10^{ - 16}〔\mathrm{W / m^2}〕、C_2:1.44 × 10^ {- 2}〔\mathrm{m \cdot K}〕$$
ハ.放射率[emissivity]
一般の物体の熱放射は黒体とは異なる。そこでその物体と同じ温度の黒体放射に対する割合としてこれを表す。
$$T〔\mathrm{K}〕$$の完全黒体の放射度$$E_b 〔\mathrm{kcal/m^2h}〕$$は、ステファン・ボルツマンの法則により,次の式で表される。
$$E_b = C_b\left(\frac{T}{100}\right)^4$$
ここに、$$C_b$$:完全黒体の放射定数 = $$4.96〔\mathrm{kcal/m^2h・K^4}〕$$
ニ.吸収率[absorptivity]
物体表面への入射エネルギーに対する吸収、透過、反射の割合をそれぞれ吸収率($$α$$)、透過率($$τ$$)、反射率($$ρ$$)という。
$$\alpha + \tau + \rho = 1$$ | (4-2) |
の関係がある。
ホ.キルヒホッフの法則[Kirchhoff’ s law]
同一温度における物体の単色放射率($$ε_λ$$)と単色吸収率($$α_λ $$)の間には
$$\alpha_\lambda (t) = \varepsilon_\lambda (t)$$ | (4-3) |
これをキルヒホッフの法則という。
ヘ.放射伝熱[radiant heat transfer]の計算
温度$$t_1、t_2$$、面積$$A_1、A_2$$ の二つの黒体面間の放射伝熱量は次の式で表される。
$$Q = σ({t_1}^4 - {t_2}^4)A_1 \cdot A_2 \cdot \phi_{12}$$ | (4-4) |
ただし、$$\phi_{12}$$:形態係数、$$σ$$ :吸収率
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