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石けん系グリース

よみ
せっけんけいぐりーす

(1) カルシウム石けんグリース

 一般に、カルシウム石けんグリースは鉱油と脂肪酸、水酸化カルシウム(消石灰)と水を加え、加熱けん化し、けん化終了後、水分を調整して製品となる。牛脂系脂肪酸を用いたグリースは、構造安定剤として若干の水分を必要とするため、80°C以上では水分の分離によって構造が破壊され石けんと基油が分離する。したがって、耐熱性に乏しく、約70°C以下でかつ、比較的低速・低荷重の一般平軸受等の潤滑、また、耐水性に優れていることから、水を使用する箇所の潤滑に適している。一方、ひまし油系脂肪酸を用いたグリースは、水分を含まずに安定な構造を作るため、約100°Cまで使用できる。

 

(2) 複合アルミニウム石けんグリース(アルミニウムコンプレックスグリース)

 水酸化アルミニウムに芳香族カルボン酸およびステアリン酸を反応させた複合石けんからなり、極めて細かい繊維構造をもつ。200°C以上の滴点を持ち、耐熱性・耐水性・せん断安定性が非常に良好なグリースである。

 

(3) リチウム石けんグリース

 リチウム石けんグリースは、万能グリースとして一般工業用・自動車・各種軸受・家電製品にいたるまで、もっとも広範囲に使用されている。構成は、鉱油または合成油と、ステアリン酸リチウムまたはひまし油の硬化脂肪酸のリチウム塩であり、広温度範囲で使用でき、耐水性・せん断安定性にも優れている。

 

(4) 複合リチウム石けんグリース(リチウムコンプレックスグリース)

 脂肪酸と二塩基酸の混合体に水酸化リチウムを反応させることで、繊維構造を作る。滴点が250°C以上あり、耐熱性・耐水性・防錆性に優れ、一般のリチウムグリースと比較しても高温で長寿命である。

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