二方向形状記憶処理
- よみ
- にほうこうけいじょうきおくしょり
- 英語
- two-way recovery treatment
二方向形状記憶効果を付与する処理をいう。
基本的には、高温母相内に内部応力場を導入するための処理で、次のような方法がある。
(1) トレーニング:外部応力と温度との両方の効果を与えてマルテンサイト変態と逆変態とを繰り返す操作をいう。
(a) 応力下またはひずみ下で、$$\mathrm{M_f}$$点以下の温度と$$\mathrm{M_f}$$点以上の温度との間で冷却・加熱の操作を繰り返す。
(b) $$\mathrm{M_s}$$点または$$\mathrm{M_f}$$点以下の温度に冷却して変形し、次いで外力を除いて$$\mathrm{M_f}$$点以上の温度に加熱するという操作を繰り返す(形状記憶効果トレーニング)。
(c) $$\mathrm{M_f}$$点以上の温度で応力誘起マルテンサイト変態を起こさせ、次いで荷重を除くという操作を繰り返す(応力誘起トレーニング)。
(2) 拘束加熱:記憶させたい形状に拘束したままで母相状態の温度に一定時間加熱する操作をいう。
(3) 強変形:永久ひずみを起こさせるような大きな変形を与える操作をいう。
(4) 拘束時効処理:変形した形状に拘束したままで時効処理し、合金の母相中に微細な析出物を析出させる操作をいう。主にTi-Ni合金で、全方位形状記憶効果を得るために行われ、二方向形状記憶を導き出すための方法の一つとなっている。
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