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電力設備の力率改善

よみ
でんりょくせつびのりきりつかいぜん

 電力設備を(a)図の単相電気回路で模擬し、電圧$$e〔\mathrm{V}〕$$および電流$$i〔\mathrm{A}〕$$を次式で与える。下段は、複素表示の式である。

\begin{equation}
\left.
\begin{array}{l}
e=\sqrt{2}E \sin \omega_t \\
i=\sqrt{2} I \sin (\omega_t -\theta)
\end{array}
\right\} \Rightarrow
\end{equation}

\begin{equation}
\left.
\begin{array}{l}
\dot{E}=E \\
\dot{I}=I(\cos\theta -j \sin\theta)
\end{array}
\right\}
\end{equation}

 ただし、

  $$\omega$$: 電源の角周波数$$〔\mathrm{rad/s}〕$$

  $$t$$: 時間$$〔\mathrm{s}〕 $$

  $$\theta$$: 電流の電圧に対する遅れ角$$〔\mathrm{rad}〕$$

 遅れ無効電力を負とする複素電力$$\dot{W}〔\mathrm{V ・ A}〕$$を求めると、次式で与えられる。

  $$\dot{W}=\overline{\dot{E}} \dot{I}=E I(\cos\theta-j \sin\theta)$$

    $$=P-j Q$$

ただし、

\begin{eqnarray}
  P &=& E I \cos\theta〔\mathrm{W}〕 \\
  Q &=& E I \sin\theta〔\mathrm{var}〕
\end{eqnarray}

3266-1

 当然、複素電力の絶対値$$W〔\mathrm{V・A}〕$$は皮相電力を表す。

 複素平面にベクトル表示すると(b)図のようになり、皮相電力と有効電力のなす角$$\theta$$は力率角を示すことがわかる。

3266-2

 

 この力率角$$\theta$$を小さくして力率$$\cos\theta$$を改善する方法には、(b)図からわかるように、$$P$$を大きくするか$$Q$$を小さくすればよいが、力率改善といえば、$$Q$$を小さくする方法が採用されている。

 具体的には、有効電力$$P〔\mathrm{W}〕$$を一定にして(a)図のように遅れ力率$$\cos\theta$$を力率改善して遅れ力率$$\cos\phi$$にするには、進相負荷である電力用コンデンサ$$Q_C〔\mathrm{var}〕$$が、また、(b)図のように進み力率$$\cos\theta$$を力率改善して進み力率$$\cos\phi$$にするには、遅相負荷である分路リアクトル$$Q_L〔\mathrm{var}〕$$が使用され、その容量はいずれも次式で与えられる。

  $$Q_c = Q_L=P(\tan\theta-\tan\phi) $$

    $$= P \left( \dfrac{\sqrt{1-\cos^2 \theta}}{\cos\theta}-\dfrac{\sqrt{1-\cos^2 \phi}}{\cos\phi} \right)$$

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