変圧器の効率運転(省エネ運転)
- よみ
- へんあつきのこうりつうんてん(しょうえねうんてん)
変圧器が1台の場合の負荷に対する効率の変化は、負荷力率を一定とすると、図のようになり、損失比(全負荷銅損と鉄損の比)の逆数の平方根となる負荷比$$m_m$$(小数)において、次式で示す最高効率$$\eta_m〔%〕$$となる。
$$\eta_m=\dfrac{P_N \cos \theta}{P_N \cos\theta+2\sqrt{P_i P_{cN}}}\times 100〔%〕$$
特性の等しい変圧器を$$n$$台並行運転して、電力$$P〔\mathrm W〕$$の負荷に電気を供給している場合の全損失$$P_{ln}〔\mathrm W〕$$は、
$$P_{ln}=n \left\{ P_i+\left( \dfrac{P/n}{P_N \cos \theta} \right)^2 P_{cN} \right\}$$
$$=n P_i+\dfrac{1}{n} \left( \dfrac{P}{P_N \cos \theta} \right)^2 P_{cN}$$
ただし、
$$P_i、P_{cN}$$: 変圧器1台の鉄損$$〔\mathrm W〕$$および全負荷銅損$$〔\mathrm W〕$$
$$P_N$$: 変圧器1台の定格容量$$〔\mathrm{V \cdot A}〕$$
$$\cos \theta$$: 負荷の力率(小数)
で与えられる。
右辺第1項は鉄損を表し、第2項は銅損を示すから、負荷力率を一定とすると、鉄損は変圧器台数に比例し、銅損は変圧器台数に反比例、負荷の2乗に比例するから、負荷が大きくなるに従い、図に示すように、変圧器台数を多くした方が損失が小さくなり、省エネ運転になることがわかる。
ここで、$$(n-1)$$台運転に1台加え、$$n$$台運転とした方が損失が小さくなる負荷$$P_n〔\mathrm W〕$$を求めると、次式を満足すればよいから、
$$(n-1)P_i +\dfrac{1}{n-1}\left( \dfrac{P_n}{P_N \cos \theta} \right)^2 P_{cN}\geqq nP_{i}+\dfrac{1}{n}\left( \dfrac{P}{P_N \cos \theta} \right)^2 P_{cN}$$
$$\therefore \hspace{1cm} P_n \geqq P_N \cos \theta \sqrt{n(n-1)\dfrac{P_i}{P_{cN}}}$$
が与えられる。
なお、図の$$P_1$$、$$P_2$$、$$P_3$$はそれぞれ$$n=1、2、3$$ を代入すれば得られる。
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