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渦電流損

よみ
うずでんりゅうそん

 導体の一部で磁束が変化したり、または磁束が導体を切ったりすると、電磁誘導作用によって、その導体内部に起電力を誘起し、その部分だけに電流が流れる。この電流を渦電流うずでんりゅうという。このように渦電流が流れるとその通路は抵抗をもっているので電力損失を生じ、ジュール熱のために温度が上昇する。この損失を渦電流損(渦流損うずりゅうそん)という。変圧器や発電機、電動機などは多量の鉄心を用い、また多くのコイルを巻くため、鉄塊のままでは渦電流損が大きいのでこれを少なくするため普通、0.35$$〔\mathrm{mm}〕$$内外の薄鉄板を重ねた成層鉄心を用いて渦電流を遮断し、渦電流損を少なくしている。 

 

 また、磁束の変化によって鉄心内に生じる渦状の電流による損失。

 渦電流は磁束の変化によって鉄心中に発生する起電力によるもので、渦電流損$$P_e$$は鉄板厚み$$d$$、周波数$$f$$、起電力の波形率$$k_f$$、最大磁束密度$$B_m$$、定数$$K_e$$から、次式で示される。

 

  $$P_e = K_e(d f k_f B_m)^2$$

 

 上式からわかるように、渦電流損は鉄板厚みの2乗に比例するため、変圧器の鉄板厚みとしては0.3~0.5$$〔\mathrm{mm}〕$$のものが多く用いられる。また、けい素鋼板のけい素含有量を大とすれば透磁率ならびに抵抗率が大となって都合がよいが、けい素量が多くなると硬度が増し加工性が悪くなるため、変圧器用けい素鋼板では4〔%〕程度としている。

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