銅損
- よみ
- どうそん
一次、二次巻線(固定子、回転子巻線)の抵抗損をいう。抵抗損と漂遊負荷損を合わせて、負荷損というが、銅損のことを負荷損と呼ぶこともある。
【変圧器における銅損】
変圧器は無負荷のときも励磁電流$$I_0$$と一次巻線抵抗$$r_1$$により$$I_0^2 r_1$$の銅損を発生するが、その値は鉄損と比べて小さいので、無負荷試験における入力はすべて鉄損として計算される。負荷がかかると一次、二次巻線抵抗$$r_1$$,$$r_2$$と一次、二次負荷電流$$I_1′$$,$$I_2′$$とにより、
$$P_c = r_1 {I_1}’ \,^2+r_2 {I_2}’ \,^2$$
の銅損を生じる。
銅損の算定は巻線抵抗値を75$$\mathrm{〔°C〕}$$の基準温度に換算して行われ、次のように表される。
$$P_{c75} = r_{21}{I_1}’\,^2\frac{309.5}{234.5+t}$$
ただし、$$r_{21}$$は一次側に換算した一次、二次抵抗の和すなわち、$$r_{21}=(r_1+r_2′)$$で、$$t$$は測定時の温度を示す。
【電動機における銅損】
励磁電流$$I_0$$、一次負荷電流$$I_1′$$と固定子巻線抵抗$$r_1$$とによる一次銅損
$$P_{c1}=r_1 (|\dot{I_0}+\dot{{I_1}’}|)^2$$
と、二次負荷電流$$I_2$$、回転子回路抵抗$$r_2$$による二次銅損
$$P_{c2} = r_2 I_2^2$$
とから成る。
回転子回路抵抗は巻線形電動機の場合、回転子巻線抵抗と外部挿入抵抗の和からなり、かご形電動機では回転子導体抵抗と端絡環抵抗との和による。一次巻線抵抗は、固定子巻線端子間で測定した平均抵抗値$$R_1$$、周囲温度$$t$$、換算温度$$T$$(耐熱クラスA、B:75 $$\mathrm{〔°C〕}$$、耐熱クラスF、H:115$$\mathrm{〔°C〕}$$)から、
$$r_1=\dfrac{1}{2}R_1\dfrac{234.5+T}{234.5+t} \mathrm{〔\Omega〕}$$
のように求める。
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