析出硬化系ステンレス鋼
- よみ
- せきしゅつこうかけいすてんれすこう
- 英語
- precipitation hardening stainless steels
アルミニウム、銅などの元素を少量添加し、熱処理によってこれらの元素の化合物などを析出させ硬化する性質を持たせたステンレス鋼をいう。
ここで、析出硬化とは、銅やアルミニウムの合金元素と他の元素との平衡状態図を考えると、第2相の溶解度が温度の降下とともに急減する場合に、第2相の析出が過冷されて過飽和の固溶体が得られる。これは低温度で時効硬化を起こすために、このことを析出硬化という。
表2-8 JISに規定されている主なステンレス鋼の概略成分と性質および用途
分類 |
鋼 種 |
概略成分〔%〕 | 性質と用途 |
析 出 硬 化 系 |
SUS 630 | 17 Cr – 4 Ni – 4 Cu – Nb |
Cuの添加で析出硬化性をもたせた鋼種。軸類、タービン部品 |
SUS 631 | 17 Cr – 7 Ni – 1 Al |
Alの添加で析出硬化性をもたせた鋼種。ばね、ワッシャ、計器部品 |
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SUS 631JI | 17 Cr – 8 Ni – 1 Al |
631の伸線加工性を向上させた鋼種。線用、ばね、ワイヤ |
カテゴリ |
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