「 制御材 」

　核分裂連鎖反応を調節するための物質。中性子を吸収しやすいもので作られる。

　要求される性質は、(a)中性子を吸収しやすいこと、(b)高い中性子束の中で長期間効果を持続できること、(c)質量があまり大きくなく作動の迅速性が得られること、(d)熱や放射線に対して安定であること、(e)耐食性が大きいこと、などである。ホウ素、カドミウム、ハフニウムなどが用いられる。動力炉では高温で使用するため、ボロンステンレス綱、ボロンカーバイド、$$\mathrm{ Ag – In – Cd}$$（銀・インジウム・カドミウム）合金などをステンレス綱で被覆し、制御棒の形で用いることが多い。その他、冷却水中にホウ酸を溶融して用いたり、バーナブルポイズンと称し、燃料中に混入して制御棒の性能を補う使い方もある。