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高速中性子

よみ
こうそくちゅうせいし

 原子炉内では種々の速度(エネルギー)の中性子が存在しているが、中性子の質量$$m$$、速度$$v$$としたとき、中性子のもつエネルギー$$E$$は$$E =(mv^2)/2$$で表され、このエネルギーを$$eV$$で表した場合、

 (a) 高速中性子… $$E$$ > 0.1$$〔\mathrm{MeV}〕$$$$v$$ > 4.4 × 10$$^6〔\mathrm{m/s}〕$$

 (b) 中速中性子…0.1$$〔\mathrm{MeV}〕$$> $$E$$ > 1$$〔\mathrm{eV}〕$$(4.4 × 10$$^6$$>$$v$$> 1.4 × 10$$^4〔\mathrm{m/s}〕$$

 (c) 低速中性子(熱中性子)…1$$〔\mathrm{eV}〕$$>$$E$$(1.4 × 10$$^4〔\mathrm{m/s}〕$$>$$v$$

 核分裂が起きて新たに放出される中性子のエネルギーはかなり高いため、高速中性子といわれる。核分裂により発生する中性子のエネルギーは約0.05~17$$〔\mathrm{MeV}〕$$の広範囲にわたって分布しており、平均すると約2$$〔\mathrm{MeV}〕$$、最も分布が大きい中性子で約0.75$$〔\mathrm{MeV}〕$$である。

 PWRやBWRなどの熱中性子炉ねつちゅうせいしろ(熱中性子により核分裂を行わせる原子炉)では、核分で発生する高速中性子では核分裂が維持できず、この高速中性子を減速材で減速し、熱中性子により核分裂を維持させているが、高速増殖炉では高速中性子を使って核分裂をさせているので減速材を必要としない。

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