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【外資メーカー】主要完成車メーカー エンジンバルブ制御技術採用レポート

[2018.03.01]
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VW

▽新型ガソリンエンジンEA211 TSI evoのミラーサイクル技術
VWは、EA211 TSI evoエンジンにて、12.5:1の高圧縮比と、吸気バルブを早閉じするミラーサイクルを組み合わせた新しい燃焼サイクルを導入(2016年4月)。

―EA211 TSI evoエンジンは、従来の1.4ℓ TSIエンジンに100ccの排気量を追加。

―EA211 TSI evoエンジンで採用されたミラーサイクルでは、吸気バルブの早閉じ(EIVC)を行い、その時に燃焼状態が悪くなるのを、350Barの高圧燃料噴射装置と可変ターボなどで補完する。

―最善の効果を発揮するように、バルブ角度と燃焼室形状も変更。

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Daimler

▽2.0ℓ直4ガソリンエンジンM264
M264は、従来のV6ガソリンエンジンM276に置き換わるものとして、2017年秋発売のE-Class Coupéから搭載開始。

―48V電源に対応。M25648V電源の採用を前提に開発されたのに対し、M264は既存のエンジンに少ないコストで48Vを組み込む方針で開発された。

M264のその他の特徴は次のとおり。

―3元触媒の後方にガソリン粒子フィルター(GPF)を追加し、Euro 6c/6d-TEMPにおけるPN規制強化に対応。

―従来1.6ℓエンジンにのみ採用していた可変バルブタイミングCAMTRONICを採用。吸気早閉じのミラーサイクルを実現し、特に実走行局面での燃費を改善。

Daimlerの新型M264ガソリンエンジンの全体図。

BMW

▽改良型モジュールエンジンB38B48B37B47Valvetronic技術

BMW2013年に搭載を開始した直3ガソリンエンジン(B38)と直4ガソリンエンジン(B48)、直3ディーゼルエンジン(B37)、直4ディーゼルエンジン(B47)のアップグレード版(TÜ1)を、20167月のInnovation Daysで発表し、2017年秋にその改良点などの技術詳細を公開した。

―B48/B47エンジンは、排気量2.0ℓ直4エンジンで、B38/B37エンジンは、同1.5ℓ直3エンジン。

―新型エンジンでは、34気筒ともに直噴ツインターボシステムを適用。また、吸気バルブに可変式タイミングバルブ技術Valveronic機構と装着したほか、吸排気バルブにダブルバノス(Double Vanos、※Vanos=VAriable Nockenwellensteuerung・可変バルブシステム)装置を取り付けた。

――BMWValvetronicは、BMWの次世代VVTシステムで、カムページン方式を採用。カムページングVVTは、23段階で固定された角度でカムシャフトの作動角度を変える。これに、回転数に応じて必要な角度を調整するVVT技術となる。

――新型エンジンでは、アクチュエーター(モーター)がエンジンの回転数に応じて、カムの角度を制御する。
BMWが発表した新型直4 B48ガソリンエンジンと直3 B38ガソリンエンジンの写真。

 

GM

▽1.0ℓ直3エンジンにCVVTを採用

2014年に発表した1.0ℓ直3ターボガソリンエンジン1.0 EcoTecエンジンの展開を拡大。

―2014年にAセグメントOpel Adamへ搭載し、2015年にはCセグメントの新型Opel Astraにも搭載。Astraでは、先代の2.0ℓディーゼルエンジンを廃止し1.0/1.4ℓガソリンエンジンと1.6ℓディーゼルエンジンのラインアップに変更した。

―CVVTを搭載し、低回転領域での出力性能を向上させた。

Ford

Ford2.7/3.5 V6 EcoBoostガソリンエンジン
Ford20147月に発表した2.7 V6 EcoBoostおよび、20165月に発表した3.5 V6 EcoBoostエンジンでは、VVTを採用。

―特に、3.5 V6 EcoBoostエンジンでは、軽量化を図るため、バルブトレインの中空カムシャフトを採用し、最大1.8㎏軽量化。

―また、耐久性を強化した吸排気バルブおよび油圧バルブラッシュアジャスターを搭載した。

―2.7 V6 EcoBoostエンジンもVVTを採用。
EcoBoostエンジンには、直噴ターボシステムに加えて、吸排気独立制御の可変バルブタイミングシステム(Ti-VCT)を搭載。

吸気側では、混合気をスムーズにシリンダー内に誘導し、燃焼効率を高めるほか、排気側では、スカベンジング効果を高めて、中低速域でのトルクを向上。

Fordの3.5L EcoBoostガソリンエンジンの全体写真

FCA

Fireflyの概要
Firefly は、2016年にFCAがブラジルで発表した新開発Global Small Engineの呼称である。当面は、1.0ℓ直31.3ℓ直42種類の自然吸気エンジンをラインアップする。

―直3、直4ともに、1気筒あたりの排気量を333ccに統一したモジュールエンジンである。

Fireflyエンジンの場合、高出力化手法の一つである4バルブを採用せず、2バルブにしてバルブの有効面積を減らし、少量の空気をゆっくりと取り込むことで、特に低回転域でのトルク向上を図った。

また、位相可変型の連続可変バルブタイミングCVCP (Continuous Variable Cam Phaser)を採用し、ミラーサイクルを実現。

―定速走行時などエンジンが部分負荷の状態にあるときは、CVCPがカムシャフトの回転を40度遅らせる。これにより、吸気バルブを遅閉じし、膨張比を上げ、ポンピングロスを低減する。

現代自グループ

▽現代自/起亜、Nuエンジンに採用したCVVL技術
現代自/起亜は、可変式バルブを適用したContinuous Variable Valve LiftCVVL)を開発し、新型ガソリンエンジンのNu1.8/2.0ℓ)に初搭載した。

―CVVT技術に加え、エンジン回転数に応じてバルブリフトを制御し吸気量を調整する。高出力時には、吸気量を増やして動力性能を確保する一方で、エンジン始動初期には吸気量を抑えて不完全燃焼のガス量を低減し、排ガス性能を高める。

―現代自Sonatai40、起亜K5Carensで搭載。

▽新型エンジンSmartStreamCVVDを世界初搭載

現代自/起亜は、20182月にフルモデルチェンジ予定のコンパクト(C)セグメント乗用車K3(海外名Forte)で、次世代パワートレインSmartStream-G(ガソリン)エンジンを搭載する。

SmartStream-Gエンジンには、新可変バルブタイミング技術CVVD=Continuous Variable Valve Duration、連続可変バルブデュレーション)を採用。

―CVVLでのバルブリフトを省略し、カムにより直接的制御され作動していた構造から、バルブリフター側にタイミングを調整する制御シャフトを搭載。

―バルブリフト技術の省略で多数の装置が連動する中で発生する摩擦損失等を低減した。

―バルブリフト機構の省略で、シリンダーヘッド周りスペースの自由度を高める。

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注)10:カムシャフト、12:カムシャフトスロット、20:カム部、22:カム、24:カムスロット、26:カムキャブ締結部、42:ガイドローラー、44:接触ローラー、52:制御スロット、54:制御ピン、56:制御シャフト、60:バルブ

FOURIN世界自動車技術調査月報より転載>