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トヨタ 2030年に向けた電動車戦略の全体像

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2030年に向けた電動車戦略の概要

201712月、トヨタは「電動車普及に向けたチャレンジ」と題して今後の電動車戦略について説明を行った。

車を巡る100年に1度の大変革を、新たな価値提供と事業拡大の好機と捉え、電動化・情報化・知能化に戦略的にシフト。電動化では、商品・技術・社会基盤に対し全方位で取り組む。


▼車両電動化のマイルストーン:その1 (2020年代前半)
2020年、中国を皮切りに自社開発の量産型BEVを本格導入。以降、トヨタ・レクサス両ブランドでグローバルに車種を拡大。

中国に加え、日本・インド・米国・欧州に順次展開。
2020年代前半には10車種以上をラインアップ。


▼車両電動化のマイルストーン:その2 (2025年)
2025年までにエンジンのみを搭載する車種をゼロにする。
プリウス、MIRAIなどの電動専用車の車種を拡大する。
クラウン、カローラなどの電動グレード設定車の設定を拡大する。

トヨタが目標とする2025年頃までのエンジン専用車・電動車・電動グレード設定車の比率を表した表。2025年までに、エンジン専用車はゼロ、電動専用車は車種拡大、電動グレード設定車は設定拡大を図で表している。

▼車両電動化のマイルストーン:その3 (2030年)
電動車のグローバル販売台数を550万台以上に。
ZEV(EV
FCV)のグローバル販売台数を100万台以上に。

2030年に向けたHEV/PHEV戦略

「2030年に40%以上をHEV/PHEVに」

トヨタが今回発表した電動車戦略のうち最もインパクトの大きいトピックは、2030年にHEV/PHEV 40%以上 という目標である。


―多くのHEVを既にラインアップしているトヨタにとって傍目には容易に達成可能にみえるが、2017年実績比で3倍増となる目標であり「トヨタにとって最も準備が困難な目標」である。


世界的にはZEV規制が無視できないものになりつつあるが、ZEVは台数が少ないため燃費規制対応の主力にはならない。ボリュームの大きいハイブリッドが軸となる。

HEV/PHEVについては、従来の2モーターTHS (Toyota Hybrid System)が持つ燃費・コスト・走りの追求という要素を継承しつつ、ハイブリッドシステムの多様化を推進する。これにより、2030年のHEVの大量ラインアップ時代に備える。

スポーツタイプには加速性能に優れたハイブリッドシステム(2モーターTHSの改良版とみられる)

小型トラックには、トーイング性能に優れた1モーター+多段ATのハイブリッドシステム。

ラグジュアリーモデルには、2モーター+4ATのマルチステージハイブリッド(既に投入済み)

新興国向けには、1モーターパラレルHEV48V MHEVを今後開発して投入する。アクアより小型のモデルでは48V MHEV、ピックアップトラックなどでは1モーターパラレルHEVという棲み分けがなされるとみられる。

多様化を進めるハイブリッドシステムであるが、2030年のHEV/PHEVで最も多くの台数を占めるのはTHSベースの2モーターハイブリッドシステムである。

トヨタ、2030年に向けたBEV/FCEV戦略

▼電動パワートレインの棲み分けとBEV/FCEVの戦略概要
2030年までにZEV (BEV/FCEV)10%以上にする。

これらのZEVは、主力となるHEV/PHEVとは異なる領域(車両サイズ/移動距離)をカバーするために不可欠である。

▼BEV戦略
BEVの位置づけを変更し、軽からトラックまでフルライン展開。


―従来の小型車のみならず、バス・トラック、高級車、中・大型車、軽自動車、パーソナルモビリティにも展開予定。
―乗用・商用に加え、モビリティサービスにも活用する。


BEV
の駆動用モーターをハイブリッド車用モーターと共通化することも選択肢として検討している。

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▼FCEV戦略
2020年代に乗用車・商用車の商品ラインアップを拡充する。
乗用車分野では、SUVや高級車、ワゴンモデルを加え、ラインアップを増やす。

商用車分野では、既に開発し発表済みのバスに加えて、中・大型トラック、公共交通バス、宅配トラックにも展開する。

トヨタの世界におけるEVの多様化を表した図。乗用車から商用車までのラインナップを展開すること表す。

さらに、グループ企業の豊田自動織機、アイシングループを通じて、産業用車両や定置型発電機の製品化を行う。

FOURIN世界自動車技術調査月報より転載>